経済政策 2021 10 9
「所得倍増の夢」
おそらく国民の所得を倍増させるのは、
難しいと言わざるを得ないでしょう。
それは、経済の工業化が進む過程で起こる、
一時的な「経済的現象」と言えるからです。
経済の「ソフトウェア化」が進む時、
貧富の格差は拡大していくでしょう。
アメリカの株式市場を見ると、
時価総額ランキングにおいて、
かつては、工業系の企業が上位に入っていましたが、
今は、IT企業が上位になっています。
しかし、そうかといって、
工業社会に戻すのは難しいでしょう。
みんな仮想空間に住んでいませんか。
YouTubeにTwitterだけでなく、
スマホを使う人はすべて、
仮想空間に住んでいると言えるでしょう。
だからこそ、仮想空間産業は大きくなり、
工業は相対的に小さくなっています。
ビットコインという仮想通貨は、
そういう「居住空間」の変化を象徴しています。
さすがに中央銀行が紙幣を印刷して、
国民に配布するのは古くなったかもしれません。
今まで、デフレ対策として、
中央銀行は、マネーを大量供給してきましたが、
そこへコロナ危機が起こって、
さらにマネーを大量供給しましたので、
いったい、どのくらい紙幣を印刷したのか。
しかし、仮想空間の仮想通貨は、
多くの人に安心できるものではありません。
現状では、通貨になり得ないでしょう。
しかし、経済のソフトウェア化は進む。
「今日は、疲れたから出前を取りたい。
あの店は、板前さん一人で切り盛りしている。
出前の注文は受けていない」
しかし、今は、アプリで入力すると、
「出前代行業者」が料理を運んできてくれる。
誰が得をしているのか。
私か板前さんか。
おそらく「出前アプリ」を作った人と、
出前代行というシステムを運営する人かもしれません。
経済のソフトウェア化が進む今、
ベーシックインカムも検討せざるを得ないかもしれません。